「聞き流し」は効果なし!? 英語がスイスイ頭に入る「2つの聞き方」とは?

イヤホンをする女性

「聞き流すだけ」で本当にリスニング力はつくのでしょうか?実際に聞き流し学習をしてみたけれど効果が出なかったという方もいらっしゃるかもしれません。または、これから聞き流し学習をしようと思っているけれど、半信半疑・・・そんな方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、単なる「聞き流し」ではリスニング力はつきませんが、ちょっとした工夫でリスニング力は効果的にアップします!この記事では、「聞き流すだけ」に惑わされない、効果的なリスニング強化法をご紹介します。

1.「聞き流すだけ」で英語のリスニング力はつくの?

英語を上達させるためには、できるだけ日常生活を「英語環境」にすることが大切です。日本で生活をしている限り、私たちの脳は常に日本語モードになっています。すぐに英語モードへの切り替えができないと、英語を聞いてもなかなか理解できるようにはなりません。

そこで家事をしながら、電車に乗りながら、といった「ながら時間」や、5分でも10分でも細切れの「すきま時間」を有効活用して、1日のうちで英語にふれる時間を最大限に伸ばすことが重要になります。そうすることで、英語モードへの切り替えがスムーズになるからです。

ということは、大量の英語をただひたすら「聞き流すだけ」でよいのでしょうか?

残念ながら、答えはNOです

子どもの場合は、大量のインプットが時間をかけてアウトプットにつながる・・・という事例はよく耳にしますよね。例えば、親の海外赴任にともなって英語圏の現地校へ通うことになった場合。最初はまったく英語を理解することも話すこともできません。まるで貝のように口を閉ざしてしまう子どももいるようです。

そのまま数ヶ月が過ぎ、大人たちの心配が頂点に達する頃、突然ペラペラ英語を話し始めるというのです。それまでの間、ずっとクラスメートや先生の話す英語に耳を傾け、必死に英語を吸収していたのでしょう。それがある時点で、しっかり聞き取れるようになり、そして自分でも話すことができるようになるのです。

ただし、これはあくまでも子どもの話です。日本語の脳がしっかりできあがった大人の場合、ただひたすら英語を聞き流すだけでは、リスニング力はつきません。大人は英語を聞いてもついつい日本語へ置き換えてから理解しようとするクセがついているため、ただ英語を聞き流しているだけでは理解が追いつかなくなってしまうからです。

これでは結局いやになって挫折するか、なんとか聞き流しを続けてもほとんど音楽=バックグラウンドミュージックを聞いているようなものです。何も聞かないよリはマシかもしれませんが、とても効果的な方法とは言えません。

犬の散歩中にいつもラジオ英語講座を聞いているのに・・・通勤中はずっと英語ニュースを流しているのに・・・まったく英語が聞き取れるようにならない。そう感じている方も多いのではないでしょうか?

2. リスニング力を上げる「2種類の聞き方」とは?

実はリスニング力をアップさせるためには、「2つの聞き方」をバランス良く組み合わせることが重要なのです。その「2つの聞き方」とは、「多聴」「精聴」と呼ばれる方法です。

2-1. 多聴とは?

多聴とは、たくさんの英語を聞き、大まかな内容をつかむ聞き方です。細かい点にこだわりすぎないのがポイント。わからない部分は推測しながら、全体の流れを追っていくことが大切です。バックグラウンドミュージックのようになんとなく耳を傾けるだけの「聞き流し」と違い、あくまで全体の内容や流れをつかむことに意識を集中させます。

多聴では、英語の音を100%聞き取ることにこだわる必要はありません。相手の言っていることを理解するためには、耳から入ってくる「音」だけでなく、それを補う「推測力」や「背景知識」も重要になるからです。

その「推測力」を発揮するために役立つのが、文法知識、単語・熟語・表現などのストック、そして話の内容や話し相手に関する背景知識です。こうした英語力のベースと背景知識を駆使して、聞き取れなかった部分を推測することによって、コミュニケーションを成り立たせることができるのです。

2-2. 精聴とは?

とはいえ、いくら推測してもわからないものは聞き取れません。そのわからない部分を1つ1つつぶしていくのが精聴です。精聴とは、多聴では聞き取れなかった細かい点もすべて理解するための聞き方。耳から入る英語の「音」を「文字」で確認することによって、100%の聞き取りを目指します。(「音」を「文字」で確認する方法については、「3-1. これだけは外せない教材の条件」をご覧ください。)

3. 効果的なリスニング強化法とは?

では「多聴」と「精聴」を組み合わせ、効果的にリスニング力をつけるための具体的な方法をご紹介します。

3-1. これだけは外せない教材の条件

英文トランスクリプトのイメージ

リスニング力をつけるためには、市販のリスニング用教材に限らず、英語のオンラインニュースや動画などいろいろな素材を活用することができます。ただし、1つ絶対に外せない条件があります。それは、英語の音声をすべて書き起こしたトランスクリプトが入手可能なものであること。

知らない単語は調べない限りいつまでたっても知らないまま。英語の「音」を「文字」で確認できる英文トランスクリプトがあれば、知らない単語や表現をチェックしたり、聞き取れなかった理由を分析したりすることができるので、聞きっぱなしで終わることはありません。

3-2. 具体的なやり方・手順

風船

  1. 大まかな内容をつかむつもりで流れを追いながら、何も見ずにひと通り聞いてみる
  2. 飽きるまで繰り返し聞く→1回めで聞き取れなかった所も繰り返し聞くことで拾える音が増えてくる
  3. これ以上は絶対に無理と思った時点でトランスクリプトを見て、「音」と「文字」を一致させる
  4. 知らない単語や表現を辞書で調べ、内容をすべて理解する
  5. トランスクリプトの英文を100%理解した状態で、再び何も見ずに聞いてみる
  6. それでも聞き取れない箇所があれば、トランスクリプトで再確認する
  7. ここまでの段階で100%意味が取れるようになったものを、今度は飽きるまで多聴にはげむ

まず1〜7までの手順にしたがって、1つの教材にじっくり取り組んでみましょう。7のステップでそろそろ飽きてきたら、次の教材へ進んでも構いません。ただし、1〜7まで仕上げたものは、忘れた頃にまた多聴用に再利用するのが効果的です。

しばらく時間が経つと、1度は100%理解したものでも意外と忘れていることが多いからです。繰り返し聞くことで、英語の音やリズムが自然と脳に定着し、ただの「聞き流しだけ」では手に入れることのできないリスニング力が身につきます。

多聴の良いところは、机に向かってやる必要がないこと。家事をしながら、通勤しながらの「ながら時間」を有効活用できますよね。精聴を通してすでに100%内容を理解しているはずなので、知らない単語も知らない表現も知らない文法もない状態。これで100%聞き取れなかったら言い訳ができない状況です。この方法だと単なる聞き流しにはならないので、集中力もアップして大きな学習効果が期待できます。

4. リスニング力を加速させる!英語環境づくりに役立つ3つのおすすめグッズ

効果的なリスニング強化法がわかったところで、今度は、できるだけ英語にふれる時間を増やす工夫が必要になってきます。毎日の英語環境づくりに役立つ便利なグッズをご紹介します。

4-1. まわりの雑音をシャットアウトして、いつでもどこでも英語環境

ノイズキャンセリング付きイヤホン私は家事をしながら英語を聞くことが多いのですが、掃除機をガーガーかけているときや水をジャージャー流しながらお風呂掃除をしていると、その音にかき消されて英語がまったく聞き取れずに困ったことがありました。そんなときに役立つのが、イズキャンセリング付きのイヤホンです。通勤中の電車の中や出張中の飛行機の中でも、まわりの音をシャットアウトして、英語の音声に集中できる優れものです。

ノイズキャンセリング付きイヤホンは、数千円程度〜で購入できます。家電量販店でも買えますし、Googleで「ノイズキャンセリング イヤホン」と検索すればたくさんヒットしますので、興味のある方はぜひ検索してみてください。また、下の記事も参考にしていただけます。

参考:ノイズキャンセリングイヤホンおすすめ人気ランキング2017比較

4-2. 車の中でも英語環境

FMトランスミッター車の中でも、iPhoneにダウンロードした英語の音声や、そのままiPhoneから英語ニュースなどを聞きたいとき、FMトランスミッターを使うと便利です。シガーソケットに差し込んで、上部のボタンを押し自分のiPhoneにペアリングさせてから、周波数を合わせるだけ。ダウンロードしてあるオーディオブックやCNNニュース、YouTubeなど、車の中でもいろいろな英語音声を再生できるので、英語環境づくりにとても重宝しています。

私がアマゾンで購入したのはこちらのFMトランスミッターですが、他にも2000円前後のものもあるようです。アマゾンのFMトランスミッター売れ筋ランキングはこちらをどうぞ。

4-3. お風呂の中でも英語環境

ワイヤレススピーカー

お風呂の時間もゆっくり英語を聞きたい方におすすめなのが、防水仕様のワイヤレスポータブルスピーカー。こちらもiPhoneにダウンロードした音声やリアルタイムの英語ニュース、お気に入りの洋画の音声などを再生できるので、ゆっくり湯船の中で英語環境にひたることができます。

お風呂で使う場合は、防水仕様であることが重要ですね。下の記事で紹介されている【気軽に日常使いしたい】Bluetoothスピーカーの最強おすすめ人気ランキング8選が参考になります。私が持っているソニーの製品はかろうじて3位に入選していました。

参考:【安いのに高品質!】Bluetoothスピーカーの最強おすすめ人気ランキング20選【2017年最新】

いまやその気になれば、日本で暮らしていても、英語環境をつくり出すことはそんなに難しいことではありませんね。

5. まとめ

いかがでしたでしょうか?「聞き流しをやっているけどまだ効果が感じられない・・・」「これから聞き流しにチャレンジしようと思っていた」という方は、「聞き流すだけで英語が聞き取れるようになる!」の甘いワナに陥らないように、次のポイントをしっかり押さえて効率よくリスニング力をアップさせてください。

  • 英語を上達させるためには、できるだけ日常生活を「英語環境」にすることが大切
  • 「聞き流すだけ」では、効率よくリスニング力を上げることはできない
  • リスニング力を上げるためには、「多聴」と「精聴」を組み合わせるのが効果的
  • リスニング力を鍛えるためには、トランスクリプトのある素材を使う
  • 日本で暮らしていても、便利なグッズを活用すれば「英語環境」はつくれる

しっかりとした方法で実践すれば、リスニング力は必ずアップします!英語の聞き取りができれば、世界中から情報をキャッチできるようになりますよね。日本語だけで入手できる情報には限りがあります。英語のリスニング力を高めて、情報収集力もアップさせませんか?